浄土寺

法宝物紹介

座像の阿弥陀如来

 天文十九年(1550)、大窪源左衛門家長が城主の座を捨て京都で出家した際、後奈良天皇より賜ったものである。

 当時より金色の座像仏として伝えられており、現在でもその名残が窺えられる。阿弥陀如来像の大半は普通立像であり、座像は珍しいといえる。柔らかい表情が何とも言えぬ安らぎを感じさせる仏像である。


かんしつあみだにょらい

乾漆阿弥陀如来

 昭和四十年に松任市(現 白山市)の有形文化財に指定された乾漆阿弥陀如来像である。

 中国伝来の脱活乾漆作りという技法で、組み立てた木心の周りを粘土で埋めて型を造り、十数枚の麻布を漆で張り重ねる。乾燥したら内部の粘土を抜き取り空洞にして創られる為、非常に軽いのが特徴。

 無銘のため製作年は不明であるが、写実的な表現、玉眼作りなどから、鎌倉定朝派の正統仏師の代表作の一つと見られる。精悍な顔立ちで凜々しさが感じられる仏像である。

 

 

 


蓮如上人御真筆御文掛軸

 蓮如上人の五帖目九通の御文で、松任市(現 白山市)重要文化財指定の御真筆である。

 蓮如上人(一四一五~一四九九)が八十四歳の時、大阪坊舎で書かれたものである。ただひたすら「南無阿弥陀仏」の六文字名号をたのみ、信心決定を促す御文は、病床の中で命終の近きことを意識した、必死の強化であった。翌年明応八年、上人は八十五年の生涯を終える。


糠仏

小さな一粒の糠(籾殻)方割りの中に、阿弥陀・観音・勢至の三尊の仏像が刻み込まれている。脇の勢至菩薩が巻物を揚げられているお姿も、虫眼鏡でやっと見ることのできる大きさである。

 大窪源左衛門が戦場に行く際、守り本尊として兜の中に奉持していた。

 ご門徒の皆様からも目が達者で見えるうちに、といって慕われ続けている。